これでいいのか出入国管理法改正案。議論無き政争。
本日平成30年11月27日。出入国管理法改正案は衆議院を可決、通過しました。
直前には立憲民主党が葉梨康弘法務委員長、野党六党派が山下貴司法相の不信任案を提出し抵抗するなど最後まで政争、荒れた政局の中決してしまいました。
この法案の可否よりも、与野党共に政争の具にしてしまい政策論議になってないのでは無いでしょうか。
辛うじて日本維新の会、希望の党は修正協議を自民党と行うなど政策面での論議に参加していました。
日本維新の会との修正協議は成立しました。
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法施行三年後に制度を見直すとした項目について二年後に変更
- 産業別の人材難状況に関する実態調査を義務化
と言ったことが盛り込まれました。
しかし希望の党との修正協議は不調のままに終わってしまいました。
希望の党は11月22日の修正協議の中でこの様な項目を上げています。
1 平成31年4月の施行はあまりにも拙速すぎるので1年延期し、準備期間をしっかりととること
2 受入れ業種・分野ごとに人数の上限を明示すること
3 受入れの人数等を決めるに当たっては有識者の入る審議会の承認を得ること
4 翌年以降の受入れについて、国籍や地域ごとの人数などを公表すること
5 犯罪をして本国に帰ったときに日本で処罰できるよう犯罪人引渡条約の拡充を図ること
しかしこれに自民党が難色を示した為か、11月26日に再度協議が行われました。
1 平成31年年4月という施行はあまりにも拙速すぎるので半年延期すること
2 受入れの人数等を決めるに当たっては有識者の入る審議会の承認を得ること
3 犯罪をして本国に帰ったときに日本で処罰できるよう犯罪人引渡条約の拡充を図ること
かなりカットし、自民党にも応じやすくしていると思いますがそれでも難色を示したそのまま修正協議は不成立となってしまいました。
ここからも推測出来ますし、かなり窮屈な国会審議からも予想されますが自民党は平成31年4月1日に今法案をどうしても施行したいのでは無いでしょうか。
背景としては、人材難・人手不足に苦しむ産業界からの強い声です。
来年は地方統一選や参議院選挙もある中圧力団体からの意見に応じる事ができるか否かは選挙の結果にに大きく影響を及ぼすことでしょう。
まさかこのタイミングで国会を通せないから延期、ということも出来ないでしょうし。
その様な事情が込み入った中での法案故に、かなり急いだのでは無いでしょうか。
しかし野党側にも問題があると言えます。
当初、立憲民主党・国民民主党・無所属の会と旧民主党メンバーで改正案対案策定も行っていました。立憲民主党は将来の法案化を目指す党見解の中間報告をまとめましたし、国民民主党も党独自の対案を策定しました。他に立憲民主、国民民主両党と衆院会派「無所属の会」の3党派有志による議員連盟も対案を策定していました。
いずれも現行の外国人技能実習制度の見直しを掲げています。しかしながら野党第一党の立憲民主党から政府案の追及を優先すべきという声が根強い事からか法案が衆議院に提出される事はありませんでした。
国民民主党玉木代表は昨日11月27日に参議院にて対案の提出を行う、と発表しましたが相変わらず野党の足並みは揃わず、てんでバラバラなのでした....
対案があるのであれば提出をし、政策論議を行うべきですし今法案が政争の具とされ本格的に審議されない事は残念です。